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郵便局の『ふるさと頒布会』  2018.9.19


郵便局の商品に、『2018年度 北陸ふるさと会 12か月頒布会』というのがある。
企画監修は日本郵便株式会社、販売者は株式会社郵便局物販サービスとなっている。

これはカタログに記載された、全国の果物・野菜・肉・魚・そうめん・そば・ラーメンなどの特産品や、ハム・ジュース・餃子・干物・漬物などの加工品を、頒布会方式で販売するものである。
価格は2千円台から5千円台で、3千円台のものが中心になっている。
各月の商品を選択し、1年分をまとめて4月頃に申し込むと、6月から翌年5月まで毎月ゆうパックで商品が送られ来て、代金はゆうちょ銀行の総合口座から引落しになる。

知人が郵便局に勤めていることもあり、数年前から利用している。

大体が、こういったカタログ通販は、美しく豪勢に撮影された商品に魅かれ惑わされる。
商品が届くと、現物はカタログに載っていたイメージと違い、その期待は裏切られることが多い。
カタログ写真と価格と商品現物を比較し、充分納得がいくことは少ない。
それでも、「せっかく金出して買ったのだから」と、不満を抑え込み自分を宥め納得させ、「旨い(はず)」と食することになる。

ところが昨年、2017年度版で購入したシャインマスカット2房は、見た目が写真通りで値段がスーパーより安く、房も粒も大きく瑞々しいので本当に旨く、家族も喜び、充分納得のいくものだった。
このように、中には満足させられる商品があるから、また次の年もカタログと睨めっこし、期待一杯に申込書を記入することになる。

今年も、そのシャインマスカットを注文しようと、2018年度版のカタログを楽しみにめくった。
すると、昨年と同じ商品が載っていないではないか。
載っているのは、ほかの業者のもので、何となく貧相な印象だった。
でも、昨年のインパクトが忘れられず、迷うことなくそれを注文した。

そしていよいよ9月、待ち遠しいシャインマスカット2房が届いた。
だが、期待は見事に打ち砕かれた。
思いの外小振りな房を取り出してみると、傷んだ粒が3つ4つと房から落ちて、萎びた粒がいくつも付いている。
全体に粒が小さくて細長く、はち切れんばかりの丸さがない。
なるべく大きそうな粒を選び口に運ぶと、皮が硬くて歯にあたり呑み込めない。
シャインマスカットは、皮ごと食べられるのが売りの筈だ。
もう一つの房は傷んではいなかったが、それにしても酷いことだ。

翌日、郵便局の知人から電話が入った。
「ふるさと会のお客さんが、届いたシャインマスカットを持ってきて、こんなに傷んでいるとクレームを言ってきたけど、そちらはどうだった」
そう言われて、自分に届いたのも傷んでいた旨を告げると、業者に連絡して代替品を送るように手配するとの返答だった。
電話の向こうで、知人が恐縮している様子が見えるようであった。

1週間ほどして、代わりのものが届いた。
今度は、さすがに見た目には傷んではいないが、やはり1房は3粒が房から落ちて鮮度が良くない。
生産者の品質管理のあり方は、いったいどうなっているのか。
こうなってくると、鮮度の悪い房を組み合わせて商品作りするのは、意識してやっているとしか考えられない。
呆れてものが云えない、とはこのことである。

昨年の業者は良心的で、優良な商品を3千円で販売していた。
今年の業者は3千7百円で、不良な商品を平気で2度も送ってきた。

カタログや送られてきたパッケージなどには、原産地と商品提供者しか書かれてないので、生産者が誰なのかは知ることが出来ない。

今回の件については、次のようなことに思いを巡らした。

@昨年の業者が、今年、ふるさと会に商品提供しなかったのは、優良な商品を販売し評判はよかったものの、3千円では採算がとれなかったからではないか。

A今年の業者(商品提供者か?生産者か?)は、採算を第一に考え、価格を3千7百円と設定し、売り物にならない傷んだ房を、傷んでいない房と組み合わせて商品作りをしたのではないか。

B一房は傷んでいないものとすることで、消費者の目を誤魔化し、不満を抑えられると思ったのではないか。

C代替品を速やかに送ってきたのはいいが、またしても不良品を混入させ、生産者からも商品提供者からも、一片の詫び状も添えられていなかった。

D商品提供者は、クレームが来れば代替品さえ送ればいいと、消費者を軽視しているのではないか。

Eはたして商品提供者は、クレームのあるなしに拘わらず、あの商品を購入した消費者全員に、代替品を送っただろうか。

F郵便局は商品提供者に対し、購入したお客様全員に代替品を送るよう、促したのだろうか。

G詫び状の一片も添えることをしない商品提供者であるから、郵便局から注意されなければ、クレームのあったお客様にだけ送ることで、事を済ませてしまったのではないだろうか。

H販売者である株式会社郵便局物販サービスからは、詫び状の葉書など、今のところ届いてないが、窓口の郵便局任せで済ませてしまうのだろうか。

I販売者である株式会社郵便局物販サービスは、商品提供者と取引約定書を交わしており、何らかのペナルティを課すのだろうか。

Jペナルティは、最低でも取引停止だろうが、ふるさと頒布会の信用を阻害させられたことにつき、何らかの損害賠償請求も行使するのだろうか。

良心的な商品提供、クレームへの誠意ある対応、は「重要」である。

2018.9.19