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自分であれ  2018.9.5


ある国家資格試験に合格した人が来社した。
「○○○士」として独立開業したいとの相談である。

昭和の時代なら資格を持てば、独立開業し普通にやっていれば、食えたものである。
ところが、有資格者が増え市場が狭小化する中にあって、士業の世界は今、成熟期から衰退期に向かっている。
独立開業が並大抵のものではなくなってきているのだ。

受験勉強の過酷さを克服した努力と、資格のステイタスを思えば、まだまだ世間は特別な目でみてくれる。
そこに士業で生きていくための鍵がある。

今わが国の士業はアメリカ型になってきている。
すなわち、数多いる「○○○士」の中で、食える者とそうでない者が二極化してきた。
「○○○士」として何が出来るか。
その世界のオーソリティとして、どんな差別化材料を持っているのか。
クライアントに利益を供することが出来るのか。
それが出来る者だけが、独立した士業として食えることになるのだ。

なかなか厳しい話になってしまったが、希望と勇気をもって開業し、実践力を発揮して、1日も早く食えるようになってくださいと締めくくった。

なお、話の中で開業してからの心構えとして、次のようなことを繰り返し話した。
私がいつも、自分に言い聞かせていることである。

主体性を持つこと
相手の意見に流されないこと
洗脳には気をつけること
自分をしっかり持つこと
自分の考えを持つこと

新聞を読んでも、街を歩いても、TVを観ても、ラジオを聴いても批判的視点=自分の意見を持つこと
相手の言うことを鵜呑みにしないこと
常に冷静でいてムードに呑み込まれないこと
自分を客観的に視ること

思い込みに注意すること
周りが見えなくなる一所懸命さに注意すること
独り善がりに注意すること
自信など持てなくてもいいこと
自信がないからこそ必死で準備するし勉強すること
自信は過信であり油断につながっていくので注意すること
自信などない方がいいこと
相手はこちらの一所懸命さを見ておりそれで安心すること
真面目に積み重ねていけば経験は時間と共に出来上がっていくこと

相手の気持ちを考えるのはいいことだが考え過ぎると身動きが取れ難くなること
「○○○士」として相対する場合相手の気持ちはある程度無視し自分のペースで対応する方がよい仕事=結果につながること
「○○○士」というスペシャリストとしての立場を考え割り切りが求められること

平成30年9月5日