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税理士試験の受験生が訊いてきた。 「勉強していると、計算、算出、算定という用語が頻繁に出てくるが、それらの違いが解らない」 なんだそんなことと思ったが、即答できそうでできない。 さあて困った。 明解国語辞典(三省堂)、広辞苑(岩波書店)によれば、つぎのように書かれている。 計算 @はかりかぞえること。勘定。また、見積り。考慮。 A演算をして結果を求め出すこと。 @たしたり引いたりなどして、もとめる数を出すこと。 一、二、三・・・とかぞえること。 A予定される数字。予想。 Bおかねや、将来とくになることをかぞえること。 算出 計算して求める数値を出すこと。 計算して数値を出すこと。 算定 計算して結果を確定すること。 かぞえて決めること。みつもり。 どれも同じような説明で、差がないように思われる。 しかし、注意してみると、それぞれには以下のような違いがみてとれる。 計算 「かぞえること」 演算するという行為 算出 「数値を出すこと」 結果を出すという行為 算定 「結果を確定すること」結果を確定させる行為 つまり、時系列的に捉えると、違いが明確になってくるのである。 計算 → 算出 → 算定 (数えて、数値を出し、確定させる) これが逆だとその経過が成り立たない。 計算は演算行為に重きがあり、演算結果とその正確性は次に問われる。 算出は演算結果に重きがあり、その正確性が問われる。 算定は結果決定に重きがあり、正確な結果を目的に応じ定めることが問われる。 いかがだろうか? 翌日、この説明で、受験生は十分納得してくれた。 |