■ 男と女の間には2024.11.30


「男と女の間には 深くて暗い川がある」
20代前半の頃、耳に付いて離れなくなった歌のフレーズである。
その当時、結婚しようかと考えた女(ひと)が二人いた。
最初の女は、その想いを一途にぶつけてくるのが、耐えられなかった。
次の女は、こちらの想いを解っていただろうに、他の男と一緒になってしまった。
結局「男と女の間には 深くて暗い川がある」んだと、女性に近づくことはしなくなった。
30歳が迫ってくるに従い、両親はもとより周囲から、結婚を勧められうんざりした。
ただ、仲間には子供がいる奴もいて、結婚もいいものだとは思っていた。
結局29歳で結婚したものの、その女との間には深くて暗い川が流れて、今日に至っている。

「男と女の間には 深くて暗い川がある」のフレーズは、野坂昭如が1974(昭和47)年に歌ってヒットした「黒の舟歌」(作詩 能吉利人)にある。
その歌詞の一番と五番である。

男と女の間には
深くて暗い川がある
誰れも渡れぬ川なれど
エンヤコラ今夜も舟を出す

お前と俺との間には
深くて暗い川がある
それでもやっぱり逢いたくて
エンヤコラ今夜も舟を出す

どうだろう?
誰もが身につまされるのではないだろうか。
そんなことを、具体的に解りやすく詩人の田口久人が書いている。
なるほど! と首肯されること必定だろう。

「すれ違う男女」
女性にとって会話は心のやりとりだが
男性にとって会話は情報のやりとり
女性は考えがまとまらないから話し
男性は考えがまとまったら話す
女性はすべて聞きたいと思うが
男性はすべて話す必要はないと思う
女性は悩みを聞いて欲しいだけなのに
男性は悩みを解決しようとする
女性は言わなくてもわかって欲しいのに
男性は何も言われなければ大丈夫だと思う
だからいつまでも男女はすれ違う

田口久人
『そのままでいい−100万いいね!を集めた176の言葉−』
潟fイスカヴァー・トゥエンティワン

2014.11.30




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